ホワイトリカーを使う消毒では、短時間殺菌処理は期待できない
こんにちは、のらねこです。
アルコール消毒用の商品として消毒用エタノールではなく以前はホワイトリカーを使用していました。果実酒にカビが生えるなどなかったので効果があると信じていたのですが...
実は35%程度のホワイトリカーのアルコール濃度では短時間殺菌処理は期待できないということを知りました。今迄カビが発生しなかったのはただ運が良かっただけみたいです。
アルコール(エタノール)で短時間殺菌処理をするのであれば40%以上の濃度が必要のようです。
3.アルコールによる微生物の殺菌エタノールの微生物に対する殺菌効果は、その試験方法及び条件、あるいは微生物の種類によって必ずしも一致しないアルコールの殺菌力は65~75%が一番強く、短鎖アルコールの殺菌力は分子量の増大に従い強くなり、疎水性の強さに比例している。メタノールは40%以上で殺菌力を示し、100%でも殺菌力を有する。エタノール以上の分子量のアルコールは100%濃度では殺菌力は認められない。エタノールの無水物は殺菌効力が劣るがこれは殺菌効果に一部の水が関与することによる。エタノールの殺菌効果は温度の上昇とともに強くなり、エタノールと加熱を併用すると殺菌力は著しく上昇することが昔から知られてきた。エタノール殺菌は短時間処理ではアルコール濃度40%が限界となり、これ以下の濃度では急速に殺菌力が低下する。これは40%以上のエタノール溶液の場合、有機物が存在していても殺菌力はほとんど変化しないためである。低濃度アルコールにおける微生物の増殖を検討した結果では、大部分の微生物は4~5%まで、一部は7~8%まで増殖し、10~20%以下ではほとんど殺菌効果はないが、1%でも静菌効果は認められる。エタノールは細菌、酵母、カビのいずれに対しても殺菌力を有する。しかし細菌芽胞には殺菌効果は認められない。カビの胞子に対しては濃度が高いほど殺菌効果は強くなる。一般的にはグラム陰性細菌やカビに対しては強く殺菌力を示すが、乳酸菌や酵母にはその効果は弱い。エタノール殺菌はたんぱく質や脂質等の有機物が少量共存しても殺菌効果には変化がほんとない。エタノールには微生物の熱死滅促進効果、食塩との併用による凍結殺菌促進効果、酸性pHにおける細菌芽胞の耐熱性低下効果、細菌芽胞に対する発芽促進効果がある。引用:(一財)食品分析開発センター「食品工場の微生物制御へのアルコールの利用技術」http://www.mac.or.jp/mail/120601/04.shtml
(一財)食品分析開発センターが発信している技術資料「食品工場の微生物制御へのアルコールの利用技術」の中では、「エタノール殺菌は短時間処理ではアルコール濃度40%が限界」とかかれています。
そのため、今は消毒に濃度76.9%~81.4%エタノールを含むこの消毒用のエタノールを使用しています。
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実は、殺菌以外の目的にも消毒用エタノールは使えます。
あき瓶を再利用するときに、ラベルを剥がすことがあるのですが、粘着物が瓶に残ることがあります。消毒用エタノールをティッシュに付け、ふき取ることで粘着物を除去できるのですよ。